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鈴木 |
今回はリ・ファッション対談をお引き受けくださいまして、ありがとうございました。「リ・ファッション・ワークショップvol.3」のミニセミナーでも、xChangeについての素敵なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。まずxChangeとは、何かということから伺わせてください。 |
丹羽 |
xChangeは、元々はファッション・スワップ・パーティー、つまり衣類などのファッションアイテムの交換会で、欧米ではよく行われているものです。私はイギリスに留学していた時に知り、あぁ良いアイデアだなぁと思ったんです。自分には価値のない服でも、他の人にとっては必要な服かもしれないからです。
それで、日本に戻ってきて、友だちと何かやろう、ファッション・スワップ・パーティーがいいねということになって、名前をどうしようか悩みました。
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鈴木 |
xChangeに決めたのはどんないきさつですか? |
丹羽 |
いくら考えてもいい名前が思いつかなかったとき、私、鎌倉に住んでいるんですが、友だちと海に泳ぎに行ったんです。泳いでいるうちに、ふとひらめきました(笑)。自然が大好きで、自然の中にいると、気づきがあるような気がします。 |
鈴木 |
私もアウトドア派です。ダイビングに登山、カヌーと…海・山・川、何でも大好き。自然っていいですよね。ああ、話がそれました。それで、名前が決まってxChangeをおやりになったんですね。 |
丹羽 |
2007年の9月に三軒茶屋で最初のxChangeを行いました。デザイナーさんやいろいろな方とのコラボでヨガのパフォーマンスもあり、大盛況のパーティーになりました。その年の12月には恵比寿で第2回目を開催しました。 |
鈴木 |
三軒茶屋、恵比寿と何だか自然派のイメージとは異なるような気がするのですが…。 |
丹羽 |
xChangeを開催する場合、アーバンライフというか、おしゃれな演出を心がけ、エコ活動とはむしろ無縁の方に来てもらい、気づきがあればいいなと思っています。
もっともおしゃれな演出といっても、お金をかけてということではありません。ハンガーは持ち寄りで、ハンガーラックは流木を利用して作ったり。そうそう、先日、大学生たちがxChangeのファッション・ショーを開催したのですが、ファッション・ショーなんてお金がかかるんじゃないかと思っていたのですが、目から鱗で、お金をかけずにとってもおしゃれに、楽しいファッション・ショーをやっていました。
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鈴木 |
きっと素敵だったんでしょうね。拝見したかったです。丹羽さんのxChangeへのこだわりは、お金をかけないことですか。 |
丹羽 |
というか、xChangeをするということは、お金に縛られない生活を送るということです。例えば、洋服が破れたとしたら、捨てて新しいものを買ってもいいでしょうけれど、想い出のあるものだったら、繕って着続けるという選択もあるはずです。忙しく働いてお金で物事を済ませるということよりも、私は想い出を大切にして、もっと心豊かに暮らしたいと思うのです。
XChangeの場合、プライスタグの代わりに、エピソードタグをつけます。自分の着なくなった服をどのような思いで譲るのか、どれだけ大切に思っていたのかを譲る相手に伝えるためです。
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鈴木 |
思いをつなぐわけですね。 |
丹羽 |
そうです。「消費の文化」ではなく、「愛の文化」になれば…。 |
鈴木 |
そういうふうに思われたきっかけは何かあったんですか。 |
丹羽 |
ピッとスイッチが入ったのは、1999年にルーマニアで皆既日蝕を見た時かしら。ほんの数分の出来事でしたが、宇宙の神秘というのか、大自然の懐の深さというのか、人間のちっぽけさを思い知らされました。あとは徐々に気持ちが固まって、留学して大学院でサステナビリティーとリーダーシップを勉強しました。 |
鈴木 |
自然派の面目躍如ですね。
日本リ・ファッション協会のワークショップでも、xChange@リ・ファッションということでやりました。私たちの場合には、エピソードタグをちょっと大きくしましたので、カードと読んでいますが、そのエピソードカードに、譲る人のメッセージと譲られた人のメッセージ、譲られた人が譲られた服を着ている写真を貼って、「リ・ファッションの樹」に貼り付け、来場された方々に見てもらうようにしています。
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丹羽 |
リ・ファッションの樹ですか。それは面白そうですね。 |
鈴木 |
写真が素敵なんです。皆さん、笑顔で。お金では買えないものの一つですよね、笑顔って。 |
丹羽 |
経済価値に縛られないからこそ、xChangeをすることによって意識の有り様が変わっていくような気がします。ささやかな試みかもしれませんが、10人がその面白さを知り、また10人に話し、その10人がまた10人に話す。そうすることで、緩やかですが、社会が変わっていくのではないかと思っています。みんながやれば、絶対に変わるはずです。
また、xChangeは学びの場にして欲しいと思います。衣類がどれだけで捨てられているのか、そして大量生産・大量消費・大量破棄のままでは、地球は立ち行かなくなることを知って欲しいと思います。それだけでなく、新しいおしゃれにチャレンジするチャンスでもあるんですよね。
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鈴木 |
自分の買うものって、何となく傾向があるというか、偏りがありますよね。XChangeに行くと、世の中にはこんなにいろいろな服があるのかと、まず驚かされます。それで、いろいろと試してみると、「あら、こんなのも似合うんだ」と新しい自分にも出会えて、それもまた楽しみです。 |
丹羽 |
どんどん気軽に試して、持ち帰ってどうも違うなと思ったら、またxChangeに出せばいいんです。XChangeは、みんなの共有クローゼット。ワードローブをみんなで共有すると考えると、次の人のために大切に着ようという気にもなるのではないでしょうか。 |
鈴木 |
みんなの共有クローゼットですか。素敵な考え方ですね。 |
丹羽 |
お金が介在しない分、そのもの本来の価値、本物の価値が評価されるのだと思います。たとえば100円で安いから買うという判断基準ではなく、そのもの自体が好きかきらいか、欲しいか欲しくないかで判断されるのでは。 |
鈴木 |
なるほど、おっしゃる通りですね。 |
丹羽 |
xChangeを通じ、みんなで成長していきたいと思っています。そしてシンプルにエレガントに生きていきたい! |
鈴木 |
今日は、どうもありがとうございました。XChangeで、シンプル&エレガント! ですね。ご一緒に盛り上げていければと思います。これからも、よろしくお願い申し上げます。
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丹羽順子(にわ・じゅんこ)
・フリーランスのサステナビリティー・プランナー
・英国ミドルセックス大学院、持続可能な開発とリーダーシップコース修了
・ローカリゼーションや社会のしくみ作りに取り組んでいる。
・理想的な休日の過ごし方
特別なことはしなくても、家族や友人たちと海や山で遊んだり、ご飯を作ったりすること。
・座右の銘
You should be the change you want to see in this world.
「あなたがこの世界に望む変化に、あなた自身がなりなさい。」ガンジーの言葉
・自慢のコレクション
xChangeのお洋服たち!
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◆photo by Keiko Watanabe |